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| Vol.8/2001年秋号掲載 |
ボブは、最近日本から来たばかりのアユミちゃんに一目惚れしているので、何かというと、私に電話をしてきては、彼女の様子をうかがうの。(笑)
ところが、今日は何だか様子が変。おかしいなぁ、と思っていると、
"You could've tell me that she was dating someone."
「彼女が誰かとつきあっているのを教えてくれてもよかったじゃないか」と言うではありませんか。
「へ?」
アユミちゃんが誰かとつきあっているなんて、私は聞いていません。
それどころか彼女は少しボブに気があるのだと私は思っていたのです。
"I gave up chasing her."
「彼女のこと、あきらめたよ。」
ボブはため息をつきながら言いました。
"I really didn't know. I'm sorry."
「私その事本当に知らなかったの。残念ね。」
(ここでの"I'm sorry"は「残念だね」という慰めの意味)
落ち込むボブの電話を切るなり、また電話がかかってきました。
今度は話題の中心人物アユミちゃんからです。
「ね、ボブの様子がおかしいの」
「そりゃ、ふられれば、人は悲しむわよ」
アユミちゃんは素っ頓狂な声を出しました。
「ふられたって誰に!?」
「あんたでしょー?」
私が呆れて言うと、アユミちゃんは慌てふためき、今日の出来事を説明しはじめました。
「ボブが『誰に会いに行くんだい?』って聞いてきたの。私は午後にケンに教科書を借りに行く予定だったから、『ケンに会うんだ』って言ったら、ボブは急に顔色を変えて行っちゃったのよ」
「ふーん、変な話ねぇ。ね、ボブは英語でなんて言ったの?」
「"Are you seeing anybody?"って…」
私は可笑しくて笑いが止まらなくなりました。
「"Are you seeing anybody?"って『あなたは誰かとつきあってるのですか?』という意味なのよ」
彼女は電話の向こうで無言。
ボブの思いつめた告白に彼女は"I am seeing Ken"、「ケンとつきあっているの」と答えてしまったというわけ!
「だってseeは『見る』じゃなくて、『会う』って覚えたばかりだもん!つきあうなんて意味があるの知らないよーっ」
慌てるアユミちゃんはしっかり恋する乙女。
「どうしよう、と言われても、しらん」とそっけない私に
"If you help me, I'll treat you to dinner!!"
「助けてくれたら夕飯おごるからーっ!!」
と叫ぶアユミちゃん、そりゃ、カウンターでお寿司だよね。
ボブにも、しっかりおごってもらおーっと。
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