犬も歩けば英語にあたる・アーカイブ<記事から読む>
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*皆さん、こんにちは。私はとうとうアメリカに在住して10年になってしまいました。
3年前から、ここでの生活や出来事を、そのまま切り抜き、「生きた英語」を交えて綴っています。
笑い、また時には涙。もちろんためになる英語も含め、「犬も歩けば英語にあたる」メールマガジンはほぼ月2回更新です。

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No.49 告訴されたい?
2004.8.10

大事な会議に参加するために電車に乗ってニューヨークに向かっていました。
ところが、まだ到着まで1時間もかかるというのに、突然電車が止まったのです。
ざわつく車内。車掌のアナウンス。
「ワイヤー事故があったので、修復作業をしています」
朝のラッシュ時です。電車の中では皆申し合わせたように携帯を取り出して、
"I can't make it"
「間に合わないよ」と行き先に電話をかけています。
*"I can't make it"時間に間に合わないの常套句です。
 
"How long does it take to fix ?"
「直すのにどのくらいかかるの?」
 
車内に通りかかった車掌に皆が詰め寄るのですが、彼は肩をすくめて首を振るばかりです。私は偶然隣りに座っていた赤い髪の女性と顔を見合わせました。私はため息をついて、彼女は頭を掻きながら、肩をすくめた私に合わせるようにため息をつきました。
 
ここから、マンハッタンまで1時間......。修復までに1時間かかったとしたら、合計2時間。私を待っているお客様がいるのにどうするの!
 
私はふとタクシーで行くことを思いつきました。
その途端私は大声で車内中に聞こえるように叫びました。
 
"Is there anyone who wants to share a taxi with me?"
「誰か私とタクシー乗り合いする人いない?」
ざわめいていた車内は一瞬しーん、としました。誰も返事はありません。
私はもう一度、勇気を振り絞って大声を出しました。
"If no one comes with me, I will go by myself."
「誰もいなければ自分ひとりで行くわ」
しーん。(^^;
 
決心した私は、車掌にドアを開けろ、とせまりました。
(日本ではありえないよね(笑))だめだという車掌に私は、あなたがドアを開けなくて会議に間に合わなければ告訴する、と迫ったのです。
私はかなりまじに、もう一度彼の耳元で低い声で言いました。
"You want me to sue you?"
「あなた私に告訴されたい?」
 
ドアを開けさせた私に、突然、30代と40代くらいの3人のエグゼクティブ風の男の人が何人かスーツケースを網棚から急いでおろしながら言いました。
"Can I go with you?"
「一緒に行かせて」
"Sure"
「もちろんよ。」
 
3人の男の人が私の後についてきました。
道に出ると偶然タクシーがすぐに見つかりました。
こうして私は全然見知らずの男の人たちとマンハッタンに向かったのです。
タクシーのラジオ速報ニュースでは、電車は完全にストップしているというニュースが繰り返されていました。
 
タクシーは渋滞にも引っかからず、私を含め乗り合わせた全員がはなんと時間どおりにNYに着きました。
私は"Thank you"と皆から手を握り締められて感謝されました。
「私って凄くない?」みんなでシェアしたからタクシー代も高くなかったし、えらいわー。とかなりの自己満足状態。
 
ところが、
「車掌脅して、知らない男の人3人とタクシー乗ってきた」
と聞いた私の会社のスタッフは絶句。
 
「まじですか?」
「え、ほめてくれないん?」
「普通の日本人女性の行動じゃないです」
「え?」
「ありえないです。それって完全に大阪のオバサンのノリです」

.......大阪のオバサン? なぜ大阪なのか全然わからないが。そうだったのか。やはり「乙女」はそんな事しないわけね。
「繊細で優雅に見えるよう努力するんじゃなかったんですか」
あ、それって忘れかけていた今年の抱負......。(^^;

確かになぁ、アメリカに来た頃こんな行動はしなかったし、私はアメリカナイズと思っていたが、結局アメリカ人ばかりの車内で叫んでいるのは私だけだし......。
ただの怖いオバサンになりつつあるだけなのかもしれないです。はい。
気をつけます(汗)

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